経済
姫路の課題や未来考えよう 「空飛ぶクルマ」展示、模擬貨幣の買い物体験企画も 商議所100周年イベント
姫路商工会議所の100周年記念事業「Himeji SDGs EXPO 2022」が19日、兵庫県姫路市神屋町のアクリエひめじで始まった。持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに、企業や団体がブース出展し、それぞれの取り組みや最新技術を紹介。専門家らによる講演会やパネルディスカッションも開かれ、地域の課題や未来の姫路について考える場となった。
会場では姫路・播磨に拠点がある企業や団体を中心に約80小間以上のブースが並び、試験飛行を続ける「空飛ぶクルマ」の展示のほか、ドローン操作や仮想現実(VR)の体験コーナーも設けられた。休耕地での野菜栽培などに取り組む東洋大付属姫路高校(姫路市書写)の「地域活性部」の部員は、製造した甘辛煮の缶詰を販売し、多くの人が足を止めていた。
夏休み中ということもあり、子ども向け体験イベントを開いたブースも。姫路・播州・兵庫の3信用金庫は合同で出展し、模擬貨幣を使った買い物体験を企画。「輪投げ200円」など、子どもたちは決められた金額の中から、希望する体験や欲しい物を選び、小遣い帳に記入してお金の使い方を学んだ。勝原小2年の女児(8)は「お金の大切さが分かった。もらった小遣い帳をつけていきたい」と笑顔だった。
SDGsの視点を経営に取り入れてもらおうと、会場ではセミナーも開催。みなと銀行(神戸市中央区)など主催のシンポジウムでは、同行の武市寿一社長や地元企業の経営者、県立大の学生らが討論した。
武市社長は兵庫県内のSDGsに関する企業の意識は全国平均より低いとするデータを示し「最初の一歩をどう踏み出すかが課題」と指摘。海産乾物の加工販売、日高食品工業(姫路市花田町)の河崎廣信社長は、だしを取った後でも食べられる昆布の商品を紹介しながら「小さなことから始められるし、これまでの活動につなげることもできる」とした。県立大の坂下玲子副学長は「中小企業が生き残っていくには、多様性を大切にすることが必要。若者の声にも耳を傾けてほしい」と締めくくった。
イベントは20日まで。午前10時~午後5時。(山本 晃、井上 駿)



















