経済
三井住友銀、兵庫県に3億5千万円寄付「脱炭素、中小企業の後押しに」 企業版ふるさと納税を活用
三井住友銀行は20日、企業版ふるさと納税制度を活用し、脱炭素に向けた施策の原資として、兵庫県に3億5千万円を寄付した。県は、2023年度予算案に温室効果ガスの排出削減に取り組む中小企業への補助制度を新設する検討に入った。1社による企業版ふるさと納税では県内最高額で、21年度の県内全自治体への合計寄付額を上回った。
三井住友銀による企業版ふるさと納税は初めて。兵庫県は、前身の一つ旧神戸銀行の創業地。三井住友銀にとって都道府県で唯一、公金を取り扱う「指定金融機関」でもあることから寄付先に選んだ。
県は寄付金を中小企業の脱炭素化支援と水素の活用に使う。補助金のほか、太陽光発電設備の導入支援や、ノリ養殖で海に取り込まれた二酸化炭素量の算定にも活用。神戸、姫路、尼崎の県内3カ所にとどまる水素ステーションを、25年までに10カ所に増やすため、独自の補助制度も作る。
内閣府によると、21年度の県と県内各市町向け企業版ふるさと納税は、総額で3億1700万円(前年度比2・2倍)だった。
神戸市中央区の県公館で会見した三井住友銀の高島誠頭取は「兵庫は日本を代表して持続可能な社会を進めるポテンシャル(潜在能力)が高い。行政による中小企業の後押しが進むとありがたい」と述べた。斎藤元彦知事は「県政の公民連携を具体化するプロジェクト。兵庫に人や物、投資を引きつける起点にしたい」とした。(高見雄樹)
【企業版ふるさと納税】企業が本社所在地以外の自治体に寄付する際、法人税などが最大9割控除される制度。受け入れ自治体は地域再生計画を作り、国の認定が必要になる。初年度の2016年度は県内で計1050万円だったが、控除額が引き上げられた20年度以降は大幅に増えた。





















