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スニーカーも「脱炭素」 製造から廃棄までのCO2排出量世界最少、アシックスが来年発売へ

2022.09.16
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アシックスが新たに開発した「GEL-LYTE●CM(ゲルライトスリーシーエム)1・95」をPRする画像(同社提供)【編注】●はローマ数字の3

アシックスが新たに開発した「GEL-LYTE●CM(ゲルライトスリーシーエム)1・95」をPRする画像(同社提供)【編注】●はローマ数字の3

 スポーツ用品大手のアシックス(神戸市中央区)は15日、製造から廃棄までに排出する温室効果ガスの量を大幅に減らしたスニーカー「GEL-LYTE●CM(ゲルライトスリーシーエム)1・95」を発表した。排出量は、これまで世界最少とされたスニーカーの半分以下となる。来年発売の予定。

 新製品は、原材料の調達から廃棄までに生じる温室効果ガスが、二酸化炭素(CO2)換算で1足当たり1・95キログラム。従来の世界最少品は約4・3キログラムだった。価格は150ドル程度。

 靴底と中敷きの間に挟むミッドソールと、中敷きには、サトウキビなど複数の植物由来の原料を配合した素材を使用。その植物が成長過程で吸収するCO2が、素材の製造過程で出るCO2より多く、脱炭素と高い品質を両立できるという。

 さらに製造や輸送に使う燃料を再生可能エネルギーやバイオ燃料にし、委託先の工場にリサイクルを促すなど16の取り組みを実施。同社の従来製品の平均と比べ、CO2の排出量を、材料の調達・製造の過程で80%、輸送で75%削減できる。

 同社は「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ」を掲げる。廣田康人社長は「今回は第一歩。全ての商品を排出削減したものにするのがゴール」とし、「ものづくりに携わる業界全体で取り組んでいきたい」と話す。(赤松沙和)

【編注】●はローマ数字の3