経済
三菱電機の検査不正 新たに伊丹、姫路など11拠点70件 最終報告書公表、現旧役員10人処分
三菱電機は20日、一連の検査不正問題で、新たに現旧役員10人に役員報酬の減額や返納を求める処分を決めた。併せて外部の弁護士らでつくる調査委員会とガバナンスレビュー委員会がまとめた最終報告書を公表。新たに、検査などの不正が国内計11拠点で、70件判明した。兵庫県関連は伊丹製作所(尼崎市)や姫路製作所(姫路市)など7拠点、61件だった。
今回の調査では、自動車機器を扱う姫路製作所で新たに33件の不正が判明。圧力センサーで顧客と合意していた試験を実施しないなどの不適切行為があった。また、通信機製作所(尼崎市)で初めて、不正が2件発覚した。
調査結果の公表は今回が4回目。3回目までの不正の件数を16拠点、計148件としていたが、127件に修正した。今回の判明分を加え、不正の累計は17拠点、197件となる。調査委はこのうち112件を意図的な不正と認めた。
同社を巡っては、2021年6月の長崎製作所(長崎県時津町)での検査不正の発覚をきっかけに、製造現場で不正が相次いで判明。同年7月から調査委が全国の拠点で実態を調査していた。
同社の漆間啓社長(63)らが同日午後、東京・丸の内の本社で記者会見する。(大盛周平)
【三菱電機の検査不正】 三菱電機の工場で製造する機器の検査が適正に行われなかった問題。昨年6月に長崎製作所(長崎県時津町)で製造した鉄道車両向け空調機器の長年にわたる検査不正が表面化し、その後も他の工場で不正行為の発覚が続いた。当時の杉山武史社長や柵山正樹会長が相次いで辞任。外部弁護士らでつくる調査委員会が原因究明に取り組み、途中経過を公表してきた。