経済
プラスチック廃材をおもちゃに再生 遊び方自在の「にじいろぶろっく」無償提供へ 丹波の土田化学
樹脂射出成形メーカーの土田化学(兵庫県丹波市)は、規格外のために捨てていたプラスチック部品を、子ども向けのおもちゃとして再利用する取り組みを始めた。廃棄量は年約0・9トンと、コストに加え、環境面でも長年の課題。創業家の4代目が活用法をツイッターで募り、新たな価値を吹き込んだ。希望する兵庫県内の保育所や認定こども園などに無償提供を計画。11月1日から1カ月間受け付ける。(高見雄樹)
直径13センチ、高さ4センチの円柱形の器のようで、180グラムとタマネギほどの重さ。赤や青、オレンジなど7色で1セットにした。
元々は電気器具の部品。製造時のわずかな気温差が仕上がりに響くなど均一に作るのが難しい。規格外の不良品ができるたび、全てを捨てていたという。
企画したのは、社長の長男で今春入社した土田翔大さん(28)。4月にツイッターで活用法を募り、植木鉢やペット用品など40件を超すアイデアが集まった。
おもちゃへの活用案はその中の一つ。大学や前職の会社員時代、子どもとの野外活動イベントなどを企画してきた。「子どもたちはどんな使い方をするだろう」。カラースプレーで色を塗り、5月から大阪や鳥取などの子ども向けイベントに参加。積み重ねたり、水遊びや色塗り、工作に使ったり。狙いは的中した。
もっと多くの子どもに届けたいと、地元丹波市内のこども園など全ての保育施設に贈ることにした。
製品名もツイッターで募集。市内の保育園児が写真を見るなり口にしたと投稿があった「にじいろぶろっく」に決めた。その名には、プラスチックの「二次利用」の意味も込めた。
土田さんは「企業向けの取引ばかりだが、こうした経験を積み重ね、消費者向けの商品開発にも取り組んでみたい」と話す。
同社は1949(昭和24)年創業。年商1億8千万円、従業員は21人。にじいろぶろっくの無償提供は、1施設当たり3セットまで。同社TEL0795・72・2246