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トーホー、食品スーパー「トーホーストア」全株式を売却 大阪の食品スーパーに

2022.10.31
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全店の事業譲渡が決まった食品スーパー「トーホーストア」の店舗=31日午後、神戸市長田区長楽町4(撮影・坂井萌香)

全店の事業譲渡が決まった食品スーパー「トーホーストア」の店舗=31日午後、神戸市長田区長楽町4(撮影・坂井萌香)

コノミヤとの「全株式譲渡」に関する基本合意締結を知らせるトーホーの自社ホームページ

コノミヤとの「全株式譲渡」に関する基本合意締結を知らせるトーホーの自社ホームページ

 業務用食品卸のトーホー(神戸市東灘区)は31日、「トーホーストア」として展開する食品スーパー事業を、大阪市のスーパー運営「コノミヤ」に譲渡すると発表した。競争激化で業績が低迷していた。従業員と店舗網を引き継ぐが、店名変更の有無などは未定。

 トーホーストアは1963年に神戸市に初出店し、ピーク時の80年代には兵庫県南部を中心に69店舗を展開。競争激化や食品を扱うドラッグストアの台頭もあり、現在は県内34店舗に縮小していた。

 グループ内の4割を占めた売上高も1割弱に低迷。2022年1月期の連結子会社トーホーストアの売上高は175億6800万円、営業損失は3億7900万円と7年連続の赤字を計上していた。

 トーホーが所有する株式92・8%に加え、資本業務提携する岐阜県の同業会社が持つ残りの株式をトーホーが買い取った上で、コノミヤに譲渡する。譲渡日は23年2~3月の予定。

 従業員773人(パート・アルバイトを含む、7月現在)の雇用は維持する。トーホーの担当者は「活性化を模索したが、店舗や雇用の維持を重視し、決断に至った」とする。業務用食品販売店「A-プライス」事業に影響はないという。

 コノミヤは71年設立。グループで大阪など6府県に食品スーパー「コノミヤ」など計103店舗を展開し、21年8月期の売上高は約1300億円。兵庫県内にはコノミヤ尼崎店(尼崎市)がある。(広岡磨璃)