経済
手術支援ロボット「ヒノトリ」で初の胃がん手術、泌尿器科以外で世界初 藤田医科大が成功
国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を使った胃がんの切除手術に成功したと、藤田医科大(愛知県豊明市)が2日発表した。ヒノトリによる泌尿器科領域以外の手術は世界で初めて。
ヒノトリは10月、消化器外科と婦人科領域の手術について新たに厚生労働省から承認されたばかりで、胃がんは消化器外科の領域に入る。12月から両領域とも保険適用となる。
手術を受けたのは70代の女性患者で、経過は安定している。担当した医師は「操作性は既存の手術支援ロボットと遜色がなく、順調に進められた」とコメントした。年内に、消化器外科で10例ほどの手術を予定している。
ロボットでの手術は、通常の開腹手術より傷口が小さく、体への負担も軽くて済む。翌日から歩ける患者もおり、入院期間も短くなる傾向だ。同大は2008年、全国に先駆けて米国製の手術支援ロボット「ダビンチ」を導入。手術の実績は国内トップ級とされる。
ヒノトリは、川崎重工業(神戸市中央区)とシスメックス(同)が共同出資するメディカロイド(同)が開発。川重が製造し、シスメックスが販売している。11月2日現在、国内の医療機関に30台以上の納入実績がある。(高見雄樹)