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神戸港の顔、クルーズ客船「ぱしふぃっくびいなす」運航終了 12月末に最終クルーズ

2022.11.04
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神戸港に入るクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」=2011年12月、神戸市中央区新港町、ポートターミナル

神戸港に入るクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」=2011年12月、神戸市中央区新港町、ポートターミナル

 神戸港を主要な発着港とするクルーズ客船「ぱしふぃっくびいなす」が、12月27日に神戸港を出発するクルーズを最後に営業を終了することが、運航する日本クルーズ客船(大阪市)への取材で分かった。神戸への年間入港回数はトップで、港の顔として市民にも親しまれてきた。新型コロナウイルス禍による2年間の休止を経て、今年3月に運航を本格再開したが、客足が戻らなかった。

 同船は「飛鳥2」「にっぽん丸」と並ぶ日本の代表的クルーズ船で、3隻では唯一、関西の大阪港を母港とする。1998年に就航し、総トン数2万6594トン、旅客定員476人。

 神戸市港湾局によると、神戸港へのクルーズ船入港実績(2018年141回、19年134回)で、ぱしふぃっくびいなすは40回前後と「断トツの1位」。同船による市民クルーズもたびたび企画された。

 ただ、コロナ禍で2020年春から運航を休止。今年3月の本格再開後も、コロナ対策のため乗客を半数に制限して運航してきた。燃料や排ガス規制の強化を受けて今後、大規模改修が必要となるといい事業継続は難しいと判断した。

 神戸市の担当者は「コロナ禍から港のにぎわいが復活しそうな時にショック。穴は簡単に埋められそうにない。外国籍のクルーズ船が再開すれば誘致を強化したい」とする。

 最終航海は12月27日午後5時に神戸を出港する「ニューイヤークルーズ」。奄美大島や沖縄・那覇に寄港し、1月4日午後3時、神戸に戻る。その後、定期検査に入る。売却、廃船の予定は決まっていない。(高見雄樹)