経済
「阪神・淡路」で86万戸のガス供給停止を決断、復旧導く 大阪ガス元社長、領木さんの功績しのぶ
阪神・淡路大震災発生時に大阪ガス社長を務め、8月に92歳で死去した領木新一郎さんのお別れの会が9日、大阪市内のホテルで開かれた。約1200人が参列し、未曽有の災害を乗り越えた功績をしのんだ。
領木さんは1954年に大阪ガス入社。91年、社長に就いた。震災では対策の総指揮を執り、約86万戸という前例のない大規模なガス供給停止を決断。ガス漏れによる二次災害を発生させずに復旧を果たした。
祭壇には領木さんの遺影が掲げられ、参列者が花を手向けた。業績や人柄を振り返るコーナーも設けられ、自宅に近い兵庫県西宮市の甲山を散策する姿や震災時の対策本部であいさつする写真のほか、取引のあった諸外国から贈られたカメラや船の模型などが飾られた。
藤原正隆社長は「泰然自若として物事に動じず、洞察力と決断力を備えた人だった。残された教えを糧に、企業グループの成長と社会課題の解決に努めていく」と言葉を寄せた。(横田良平)