経済
六甲山上の「グランドホテル六甲スカイヴィラ」営業終了へ コロナ禍で宿泊需要低迷「今後は違った形で」
神戸・六甲山上の宿泊施設「グランドホテル六甲スカイヴィラ」が23日で営業を終える。新型コロナウイルス禍で利用が低迷。人員を削減したため、コロナ対策で国や自治体が行った観光支援の需要にも対応できず、採算が悪化していた。
同ホテルは、不動産会社の建隆マネジメントグループ(神戸市中央区)が2012年に開業した。系列のメープルホテル&リゾート(同)が運営。4階建て33室の本館と、1棟貸しの別館があり、避暑やレジャー目的の宿泊客を集めた。
しかし、アクセスの悪さや、客室の約3分の1を従業員寮に充てたことなどが、収益を圧迫。コロナ禍の影響で一時休業を強いられ、営業人員を削減したため、観光支援事業「Go To トラベル」など好機にも対応できなかったという。物価高も重荷となり、今年6月ごろに営業終了を決めた。
今後、周辺エリアも含めた施設の活用法を検討するという。上田一海支配人は「10年間ご愛顧いただいたが、六甲の活性化を果たせず残念。今後は違った形で地域の発展に寄与したい」と話した。22日の宿泊が最後となる。
同施設は、同グループが取得する前は、一般財団法人「兵庫県学校厚生会」が所有。1994~2010年には同じ名称で民間企業が運営していた。(広岡磨璃)