ひょうご経済プラスTOP 経済 職人が1枚板から手作り、重厚で高級「神戸洋家具ドア」が大丸神戸店入り口に登場 1月15日まで期間限定

経済

職人が1枚板から手作り、重厚で高級「神戸洋家具ドア」が大丸神戸店入り口に登場 1月15日まで期間限定

2022.12.10
  • 印刷
大丸神戸店のトアロード玄関口に設置された神戸洋家具のドア=神戸市中央区明石町40

大丸神戸店のトアロード玄関口に設置された神戸洋家具のドア=神戸市中央区明石町40

1枚の板から彫り出される神戸洋家具の彫刻(兵庫県家具組合連合会提供)

1枚の板から彫り出される神戸洋家具の彫刻(兵庫県家具組合連合会提供)

神戸洋家具の特徴あるデザインのドアの前に立つ兵庫県家具組合連合会のメンバー=神戸市中央区明石町40

神戸洋家具の特徴あるデザインのドアの前に立つ兵庫県家具組合連合会のメンバー=神戸市中央区明石町40

 職人の手により1枚の板から彫り出された唐草紋様の飾りを中心に、一面に濃淡を付けた高級感あふれる塗装-。兵庫県の地場産業である神戸洋家具の伝統の技を凝縮したドアが、大丸神戸店(神戸市中央区)のトアロード玄関口にお目見えした。1月15日まで展示する。

 伝統的な洋家具を知ってもらおうと、兵庫県家具組合連合会(同)が製作。神戸市が、市内の観光地6カ所に神戸洋家具のドアを置き、そこで記念写真を撮影してもらう観光PR企画「Door to KOBE」を展開していることに合わせ、同店の外壁前に設置した。

 市が設置した六つのドアは、セレクトショップなどがデザインした現代的で鮮やかな色彩が特徴。この6点も神戸洋家具の職人が製造しており、幅広いデザインに対応できることを知ってもらう狙いもある。

 大丸神戸店に設置されたドアは、高さ2・3メートル、幅1メートル。同連合会の会員6社が、自社で代々受け継がれてきたデザイン画を持ち寄ってコンペを実施。永田良介商店(同)が50年以上前に制作したデザインが採用された。

 唐草紋様は、刃を入れる角度や溝の深さに合わせ、数十本ののみを使い分けて彫ってある。紋様の周囲を取り囲むように陰影を付けた縁取りも神戸洋家具の特徴という。

 神戸洋家具は明治初期ごろに、外国人宅の家具の修理から始まった。その後、製造を手がけ、高級品として人気を集めたが、近年は、婚礼家具の需要減少や低価格品の普及、造り付け家具の人気などに押され、需要が低迷している。

 同組合の藤井光造会長は「復活させるためには、まず存在を知ってもらうのが第一歩。実際に触れて、高い技術を感じてほしい」と話した。

 同組合はスタンプラリーも実施しており、七つのドアを巡って交流サイト(SNS)に写真を投稿すると、家具や靴べらなど職人が作った小物などが当たる。(塩津あかね)