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淡路島産タマネギ、機能性表示食品に 中高年の「やる気」維持 ケルセチンたっぷり「ケル玉」

2023.01.23
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機能性表示食品のタマネギ「ケル玉」をアピールする広瀬青果の担当者=南あわじ市八木養宜上

機能性表示食品のタマネギ「ケル玉」をアピールする広瀬青果の担当者=南あわじ市八木養宜上

機能性表示食品のタマネギ「ケル玉」をアピールする広瀬青果の担当者=南あわじ市八木養宜上

機能性表示食品のタマネギ「ケル玉」をアピールする広瀬青果の担当者=南あわじ市八木養宜上

 野菜生産などの広瀬青果(兵庫県南あわじ市)が淡路島で生産しているタマネギが、ポリフェノールの一種ケルセチンを多く含む機能性表示食品として、生鮮タマネギで初めて消費者庁に認められた。「中高年が加齢に伴い低下しがちなやる気を維持する機能があることが報告されている」などと表示して、兵庫県や大阪府を中心に展開する関西スーパーマーケット(伊丹市)の各店舗で販売している。

 タマネギの商品名は「ケル玉」。タキイ種苗(京都市)が開発し、通常のタマネギの1・5倍のケルセチンを含む「ケルたま」という品種だ。広瀬青果は約6年前から南あわじ市内で生産を始め、年間約120トンを作っている。

 ケルセチンは老化を防ぐ抗酸化作用などがあり、認知機能を維持する効果も報告されている。機能性表示食品の届け出は、タキイ種苗からの提案を受け、広瀬青果が2019年1月ごろから取り組みを開始。成分の分析結果や引用した論文などを示して昨年10月下旬に受理された。

 関西スーパーでは、最も大きい2Lサイズ2個のセットで販売し、税抜き298円(19日時点)。広瀬青果によると、この半玉(約140グラム)を食べれば、ケルセチンが表示された機能を発揮するのに必要な1日50ミリグラムの50%を摂取できるという。

 広瀬青果の広瀬哲典社長(56)は「淡路のタマネギを知ってもらうきっかけになる。値段が高くてもおいしくて体に良いものを求める人に買ってほしい」と強調。すでに関東や九州のスーパーからも引き合いがあるといい、「徐々に生産量を増やし、他産地と競合させずに全国へ広げたい。タマネギ全体の地位が高まってくれれば」と話している。

【機能性表示食品】国の定めたルールに基づき、事業者が、食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などを消費者庁長官に届け出れば、パッケージに機能性を表示して販売できる。特定保健用食品と違って個別審査がなく、事業者は自己責任で適正な表示を行う必要がある。販売後は消費者庁が中心となって監視する。