経済
「メードイン兵庫」のロボットが都心をぐるり 食品や医薬品を配達 川重など6社が実証実験
川崎重工業などが手がける「メードイン兵庫」の自走ロボットが31日、東京・西新宿の街で荷物を配達した。東京都が進める先端技術を活用したプロジェクトの一環で、参加する川重など6社が実証実験を実施。ロボットが食品や医薬品を運ぶ様子が報道陣に公開された。
都は2019年から、第5世代(5G)移動通信システムなどを活用したサービスの実装に向けた事業を西新宿で推進。一方、川重やKDDI(東京)、自動運転ソフトを手がけるティアフォー(名古屋市)などは、物流業界の人手不足解消などを目指し、公道での実証実験を進めてきた。
この日はまず血友病の男性患者がホテルで、東京医科大病院の医師らのオンライン診療を受けた。その後、医薬品を積んだロボットが男性の元へ。「ロボットが通るよ」と言葉を発しながら時速4キロで向かった。
男性は到着したロボットから医薬品を取り出し、代わりに自己注射で使った医療廃棄物を入れた。従来は車いすで電車に乗って片道約50分かかる。2カ月分をリュックなどで運ぶという。男性は「大きな荷物を持って移動するのは大変。助かります」と笑顔だった。
ロボットの総移動距離は約1・2キロ。参加した武田薬品工業の担当者は「『重量物の配送』や『非接触』などロボットならではの強みを生かし、患者さんの負担を減らしたい」と話した。
次に別のロボットが、ハンバーガー店から顧客の元へ、事前に注文されたメニューを配達。全体で約4キロを移動した。飲食店3店が協力し、実験は2月10日まで続けられる。
川重の石田正俊執行役員は「ロボットの安定走行には、弊社のモーターサイクルの知見が生きている。実証実験を重ねて課題を洗い出し、実現を目指したい」と述べた。






















