ひょうご経済プラスTOP 経済 「1・17」やコロナ禍を経て… 神戸・長田のケミカルシューズ企業、震災前の3分の1に 産地一体で活性化へ

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「1・17」やコロナ禍を経て… 神戸・長田のケミカルシューズ企業、震災前の3分の1に 産地一体で活性化へ

2023.01.16
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縫製された靴のアッパー(足を覆う部分)を機械で成型する従業員=神戸市長田区細田町2、サンナイト

縫製された靴のアッパー(足を覆う部分)を機械で成型する従業員=神戸市長田区細田町2、サンナイト

神戸新聞NEXT

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阪神・淡路大震災後の火災で焼け落ちた製靴会社などが並んでいた一角=1995年1月18日、神戸市長田区菅原通5、6丁目付近

阪神・淡路大震災後の火災で焼け落ちた製靴会社などが並んでいた一角=1995年1月18日、神戸市長田区菅原通5、6丁目付近

縫製された靴のアッパー(足を覆う部分)を成型する従業員=神戸市長田区細田町2、サンナイト

縫製された靴のアッパー(足を覆う部分)を成型する従業員=神戸市長田区細田町2、サンナイト

完成した靴をチェックする従業員=神戸市長田区細田町2、サンナイト

完成した靴をチェックする従業員=神戸市長田区細田町2、サンナイト

 全国有数の合成皮革を中心とした神戸市長田区のケミカルシューズ業界は28年前の阪神・淡路大震災で、8割の業者が操業不能に追い込まれた。安価な輸入品の流入や不況に続き、新型コロナウイルス禍によって、企業の減少に歯止めはかからず、2022年12月の組合加盟企業は75社と震災前226社の3分の1になった。厳しい経営環境の中だが、業界は産地一体での活性化を模索する。

 日本ケミカルシューズ工業組合(神戸市長田区)によると、加盟企業の大半が同区周辺に集まる。震災による倒壊や火災によって約8割が一時操業不能に。再開できた業者も、中国産などの輸入品との競争や不況で廃業。コロナ禍も追い打ちをかけている。

 生産額は19年に330億600万円と震災前から半減。コロナに伴う外出自粛でおしゃれの機会が失われ、21年には177億4100万円にまで落ち込んだ。

 震災を機に、生産コストの安い中国など海外生産に転じる企業が増え、組合企業の従業員数は震災前年の6444人から、22年11月には2322人と約3分の1に。下請けも含めると、約4万人から約4分の1に減った。製造には熟練の技が要り、人材の育成や確保も簡単ではないという。

 その中、業界は再興に向けて統一ブランド「神戸シューズ」を発足。11年に裁断や縫製の規格を設け、14年には特許庁の地域団体商標登録を受けた。ファッションや機能性の高さを売りに、百貨店からの引き合いも出てきているという。

 企業数は減ったが1社平均の生産額は、コロナ前の19年には約3億9千万円と、震災前の1・3倍に拡大した。25年の大阪・関西万博や神戸空港の国際化を見据え、地元神戸での直営店開設を目指す。

 新井康夫理事長(68)は「生産額はコロナから少しずつ盛り返し始めている。ブランドを国内外にPRしながら、将来的には企業数も100社まで戻したい」と前を見据えた。