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園児の「置き去り」防げ! アシックスがスポーツ用センサーを使用 用途の拡大へ実証実験

2023.03.10
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実証実験用のシューズを履いて送迎バスから降りる園児=神戸市長田区大谷町2、神戸常盤大付属ときわ幼稚園

実証実験用のシューズを履いて送迎バスから降りる園児=神戸市長田区大谷町2、神戸常盤大付属ときわ幼稚園

センサーを付けた運動靴(アシックス提供)

センサーを付けた運動靴(アシックス提供)

 スポーツ用品大手のアシックス(神戸市中央区)は、スポーツ用に開発した小型センサーの用途拡大を目指している。通園バスでの園児の置き去りを防ごうと、神戸市長田区の神戸常盤大付属ときわ幼稚園で実験。センサーを備えた靴で園児の乗り降りを把握する精度などを確かめてきた。

 実験は昨年11月から、同社と通園バスを運行する近畿タクシー(同市長田区)が行う。1月下旬の朝、園に着いたバスから子どもたちが次々に降りてきた。同乗していた教員は、乗降口で一人一人の降車を確認。列が途切れると、いつも通りに車内を回るなど置き去りのないことを点検した。

 バスを使う園児14人にセンサー内蔵の運動靴を提供。バスの乗降口と園正門に設置した受信機から園児が通過するたびにデータが送られ、離れた園内でもスマホの専用アプリで個々の動きを把握できた。高木真美園長(53)は「人の目での確認が基本だが、より安心できる材料になり心強い」と本格運用に期待した。

 アシックスは、保護者も使えるようなシステム開発も計画。担当者は「暑さへの対応なども精査し実用化を目指したい」とする。

 センサーは約7グラムと軽く、運動量や動きの分析用に2020年に開発し、プロチームなどが使う。園児の安全確保のほか、高齢者の交通事故防止などへの応用も模索する。