経済
道路アスファルト、脱炭素化へ一歩 姫路の昭和瀝青工業 CO2排出権購入、製造販売分を相殺
アスファルト製品を手がける昭和瀝青(れきせい)工業(昭瀝、兵庫県姫路市)は、総合商社の双日と共同で、道路工事で利用されるアスファルトの原材料について、脱炭素化に乗り出した。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出削減量を排出権として購入し、企業努力では削減しきれない温室効果ガスを相殺できる仕組みを活用。原材料を「カーボンニュートラルアスファルト」と名付け、初年度2万トンの国内販売を目指す。(段 貴則)
両社は1997年以降、韓国メーカーが生産した道路向けアスファルトの原材料を調達。昭瀝が販売し、国内シェア約1割を占めるほか、耐久性を高めて長寿命化させた2次製品への加工や舗装工事も自前で手がけている。
アスファルト原材料は炭素を含む石油由来のため、大幅なCO2削減は難しいのが課題だった。昭瀝と双日は、原油の採掘から原材料を製造販売する過程で発生する原材料1トンあたりの温室効果ガスの量を算出し、「カーボンオフセット」と呼ばれる制度を活用。他社などが森林保護や省エネ化で生み出したCO2削減効果(削減・吸収)を、双日が排出権として購入し、カーボンニュートラルアスファルトの温室効果ガスを相殺したとみなす。
昭瀝は「アジアでも初の試みではないか。今すぐに取り組める脱炭素対策として他社に先駆けて一歩を踏み出し、今後、拡販していきたい」としている。