サイコロなどの３Ｄパズルも並ぶ＝大久保町山手台２

　住宅街にある小さな事務所のドアを開けると、ミニチュアの兜（かぶと）やかわいらしいこまなどがずらりと並ぶ。すべて平面の部品を組み立てた「立体（３Ｄ）パズル」で、「すべてのパーツに、接着剤を使わずに着脱できる技術が隠れていますよ」と谷田榮・代表取締役社長（７０）。電子機器の設計開発から、立体パズルの商品開発へと業務を広げ、最近では展示会などで販路拡大を図っている。

　谷田社長は、大手住宅設備機器メーカーに長年勤務していたが、５０歳で独立。きっかけは、１９９５年の阪神・淡路大震災だった。「いつ死ぬか分からない。好きなことをやろう」と決意。メーカーで培った技術を生かし、電子機器の設計開発をメインに事務所を立ち上げた。