堀江謙一さん「毎日カレーとコーンフレーク」 洋上から小中高生と交信 出航から50日

2022/05/16 17:15

アマチュア無線を使い、堀江謙一さんと交信する子どもら=池田市民文化会館

 小型ヨットで単独無寄港の太平洋横断に挑戦している海洋冒険家、堀江謙一さん(83)=兵庫県芦屋市=が15日、大阪府池田市にある池田市民文化会館の無線局からアマチュア無線を使って宝塚と大阪の小中高生ら6人と交信した。6人は堀江さんに海上生活などについて質問し、航海の成功を願ってエールを送った。 関連ニュース 堀江謙一さん、ハワイ通過 笑顔で手を振り、予定より1週間早く 堀江謙一さんの初代マーメイド号製造、オクムラボートを訪ねてみた ヨットで太平洋横断、伝統の技で支える 堀江謙一さん、いまどこ? 太平洋上、位置情報を公開 古野電気「リアルタイムで応援を」

 堀江さんは1962年、23歳で太平洋の単独無寄港横断を果たした後、東西両回りの世界一周など数々の偉業を達成した。今回、日本時間の3月27日未明に米西部サンフランシスコを出発し、5月末か6月上旬の到着予定。成功すれば世界最高齢の記録となる。
 堀江さんの知人で、一般社団法人・日本アマチュア無線連盟関西地方本部長の田中透さん(62)=池田市=が子どものアマチュア無線体験の一環として企画。交流サイト(SNS)などで参加者を募った。
 堀江さんは小笠原諸島の南鳥島付近を航海中で、兵庫県宝塚市立長尾中学1年高橋優介さん(12)が「船酔いはしませんか」と質問した。堀江さんは「サンフランシスコを出発して最初の2、3日は船酔いしたが、もう船酔いはない。大丈夫」と答えた。
 池田市立北豊島小学校4年土田來葵さん(10)は「日本にはあと何日くらいで到着しますか」と聞いた。堀江さんが「航海を始めてから今日で49日目。西宮まで1カ月かからないと思う」と元気な声で語ると、土田さんは「到着が楽しみですね。これからも航海頑張ってください。応援しています」と励ました。
 ほかには「ご飯は何を食べているのですか」「海の上で怖くなったらどうやって乗り越えるのですか」などと質問があった。堀江さんは「毎日、カレーライスとコーンフレークを食べている。これが1日の食事」と説明。最後に「海が怖くなったら、小鳥のようにぶるぶると震えながらヨットに乗っている」と子どもらを笑わせた。
 堀江さんと小中高生の交信内容は次の通り。
 -宝塚市立長尾中学1年高橋優介さん(12)「船酔いはしませんか」
 サンフランシスコを出発して最初の2、3日は船酔いした。しかし、50日ほど経過しているので、もう船酔いはない。大丈夫。ありがとう。
 -池田市立石橋小学校5年野田将斗君(11)「海の上にいるときはどんな気持ちですか」
 普段は陸上での生活ですが、今は水の上。常にヨットが揺れているので、これまでの生活と大きく違う。サンフランシスコを出発して50日近くたっているので、これが当たり前になっている。
 -同小学校5年清水亮佑君(11)「ご飯は何を食べているのですか」
 毎日、カレーライスとコーンフレークを食べている。これが1日の食事。
 -池田市立北豊島小4年土田來葵さん(10)「日本にはあと何日くらいで到着しますか」
 サンフランシスコから西宮まで2カ月半かかる。今日で49日目。あと1カ月かからないと思う。
 -同市立神田小学校4年宮本玲希さん(10)「雨の日はどうしていますか」
 海に転落する危険性があるので、雨が降っても降らなくても、できるだけ外には出ず、キャビンの中にいるようにしている。これからも航海が続くので応援よろしく。
 -大阪府立高津高校1年沼澤清奈さん(15)「海の上で怖くなったらどうやって乗り越えるのですか」
 海が怖くなったら、小鳥のようにぶるぶると震えながらヨットに乗っている。
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