83歳でヨットでの単独無寄港太平洋横断に挑んでいる堀江謙一さん。達成すれば前人未到の快挙となる。初挑戦した60年前は正式な出国手続きもせず、誰にも見つからないよう米サンフランシスコを目指した。今回、多くの人に見守られ、真逆の航路で母港に向かう。
「基本的には約500年前の大航海時代に帆船が通った航路とほとんど同じ」「海図がない状態で海を渡った先人たちがいた。先に何があるのかも分からないまま行くんですから、本物です」
学生時代から、米英で出版された航海日誌を読みあさってきた。自著にも「(米国の船乗りの)スローカムは1895年から4年間もかかって、ヨットで世界を一周している。…ぼくにとっては、神様だった」とつづった。
太平洋横断や、無寄港世界一周。幾多の冒険で人々を魅了してきた堀江さんだが、今も海の道を切り開いた先達(せんだち)に憧れる。
その跡を追い続け、「今回は(60年前と)逆に進むだけ」と海へ出た。人工の防波堤などはあるものの、地形に大差はなく、「気象条件や風の向き、潮の流れも大きくは変わらない」。
とはいえ、難所は存在するはず。「基本的には順調にいくと思うけど、日本に近づいてくると風が難しくなってくる」。北緯30度以下では貿易風、それ以上では偏西風が吹く。「風が不安定になると、ペースはぐっと落ちるだろう」
心配があるとすれば、風が止まる凪(なぎ)の状態に入った時。船が完全に止まってしまったこともあった。世界一周した際はハワイのオアフ島を南側から通過する予定だったが、北側を通った。順路を決めるのは結局、風。ただ、いつ吹くかは分からない。「約束事はないですから」
出発し、陸が見えなくなるといつもほっとする。陸が見えないのは沖に出た証拠で、暗礁に衝突する危険が減るからだ。60年前、日本から出発した際は「地形上、陸が見え続けるので緊張しっぱなしでしたね」
ヨット、航路、海での暮らし。取材を終えようとした時、堀江さんが言った。
「特別、難しいことはない。根拠はないけど、今までなんとかなったしなと思う」
何度も挑戦すると「このぐらいならいける」「だいたいこんなとこかな」と思うようになる。経験値を超えることが起きるのは、確かに怖い。でも、乗り越える。慣れると「自信らしきもの」が出てくる。それがまた、海へと向かわせる。
「困難があっても目標に向かって進む。人間どんなことがあっても、生きるためにはギブアップしないでしょ」。想像できない苦難を「普通」と語ってきた堀江さん。取材中、引っ掛かっていたギャップの理由が分かった気がした。
UW。「安全な航海を祈る」との思いを込め、船乗りたちが海ですれ違う際に掲げる国際信号旗だ。
無事を祈る。2カ月半後、また冒険の続きを聞きたい。(村上貴浩)

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