ひょうご経済プラスTOP 経済 明治に認定「幻の酵母」で純米大吟醸酒「新たな味楽しんで」 神戸の櫻正宗発祥、20年前再発見

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明治に認定「幻の酵母」で純米大吟醸酒「新たな味楽しんで」 神戸の櫻正宗発祥、20年前再発見

2023.02.09
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協会1号酵母を使って醸した純米大吟醸=神戸市東灘区魚崎南町5、櫻正宗

協会1号酵母を使って醸した純米大吟醸=神戸市東灘区魚崎南町5、櫻正宗

協会1号酵母を使って醸した純米大吟醸=神戸市東灘区魚崎南町5、櫻正宗

協会1号酵母を使って醸した純米大吟醸=神戸市東灘区魚崎南町5、櫻正宗

協会1号酵母の顕微鏡写真(櫻正宗提供)

協会1号酵母の顕微鏡写真(櫻正宗提供)

 酒造の櫻正宗(神戸市東灘区)は、戦争の混乱で行方知れずになった後、約20年前に再発見された同社発祥の「協会1号酵母」を使った純米大吟醸酒を開発した。純米酒や本醸造酒を造ってきたが、純米大吟醸は初めて。

 同酵母は、清酒「櫻正宗」から分離され1906(明治39)年、優れた特性があるとして政府の醸造試験所が初めて認めた酵母。各地の酒蔵で使われたが、戦禍で消失したとみられていた。ところが2001年、酵母を管理・流通する日本醸造協会(東京)に残ることが判明。協会に分けてもらい、明治期の製法を再現した清酒を販売してきた。

 今回の純米大吟醸は、精米歩合など酒造りの技術が多様化する現代に、同酵母が広く使われた当時になかった大吟醸で醸してみようと開発。酒米・山田錦を50%まで磨くことで、酵母の持つどっしりとしたキレのある味わいと、コメの優しい味わいが調和した酒に仕上がったという。

 担当者は「幻とされた酵母での新たな味わい。冷やでも燗でもおいしく飲めるので幅広く楽しんでほしい」と話している。

 180ミリリットル入り484円、720ミリリットル入り1562円。飲食店やスーパーなどで販売している。櫻正宗TEL078・411・2101