経済
山田錦の米粉スイーツ、分かち合うおいしさ 神戸の夫婦が開発「娘のような食物アレルギーの人でも」
「食物アレルギーでも食べられるスイーツを」。食事で苦労した娘の経験を基に、神戸市灘区の夫婦が今月、小麦粉に代えて米粉を使うなど、アレルゲン(原因物質)を避けたスイーツの店を同市東灘区で開いた。米粉には、有機栽培の兵庫県産の酒米・山田錦を使い、「アレルギーや環境問題に関係なく、分かち合えるおいしさを大切にしていきたい」と話す。
西田智祐さん(42)と晴美さん(44)。14歳になる娘は小麦、卵、乳製品のアレルギーがあり、小さな頃から食べ物には細心の注意を払ってきた。外食のたびに原料を確かめる日々。娘のアレルゲンは多くのお菓子の主原料で、スイーツを自由に食べることは難しかった。
「同じような悩みを持つ人は多いはず」。メインの生地には、有機日本農林規格(有機JAS)を取得する兵庫県多可町の農家が育てた山田錦を加工した米粉を使う。生クリームの代わりは、有機栽培の原料で作られたココナツミルクやアーモンドミルク、豆乳を混ぜて滑らかな舌触りにするなど、限られた材料で本格的な味わいを再現する。
22年にオンラインショップ「田田田堂」として販売をスタート。今月21日、同名の店舗をオープンした。
タルト(680円~)は国産ブルーベリーやイチゴなどの5種。水分を抑えてサクサクの食感を出し、割れないように小ぶりの型で焼く。ティラミス(680円)のスポンジには米粉と有機栽培のコーヒーを混ぜ合わせる。プリン(550円)やジェラート(400円~)もある。
智祐さんは「実店舗ならではを研究し、店を増やしたい」と話す。午前11時~午後6時。水曜定休。同店TEL078・855・3358(三宅晃貴)