尼崎JR脱線事故
25日で発生から10年となる尼崎JR脱線事故を前に、シンポジウム「JR福知山線脱線事故~わたしたちの10年、そしてこれから」が19日、兵庫県川西市栄町のアステ川西で開かれた。ノンフィクション作家柳田邦男さんがパネルディスカッションのコメンテーターを務め、登壇した負傷者や家族らが、10年の歩みを振り返った。(石川 翠)
負傷者や家族らでつくる「思いをつなぐ連絡会」が初めて企画。負傷者と家族、支援者の6人が登壇した。
事故以来、手術を繰り返してきた玉置富美子さん(65)=伊丹市=は病院を一時退院して参加。「治療方法を探し続けて、今年1月の足の手術で、1万歩も歩けるようになった。けがをした人も諦めないでほしい」と語った。
2両目で負傷した小椋聡さん(45)=兵庫県多可町=は、妻の朋子さん(46)が遺族や負傷者を支える活動中に精神疾患を発症したことを振り返り、「大変苦しい思いもしたが、人生は生きるに値する。苦難の渦中にある人が、私たちの経験を知って、いつか笑えるようになってほしい」と願った。
柳田さんは6月末に負傷者らに取材して執筆した著書を出版する予定で、「事故を受け入れながら、新しい自分をつくっていく人もいる。負傷者たちの10年の歩みが多くのことを教えてくれる」と話した。
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