事業継承編 第1部
支援元年(中)「経営基盤」 財務改善で代替わり円滑に 弁天堂(淡路市)
淡路市志筑(しづき)の住宅地。明治創業の菓子メーカー、弁天堂は、かつて商店街があったという路地の一角で事業を続ける。添加物を使わずに手間を掛ける方法でシュークリームなどの洋菓子を作り、自然食材を扱う生活協同組合や東京の小売会社に出荷する。
2年前、オーブンやミキサーなどの設備投資に踏み切った。経営基盤を強化した上で事業承継したいと考えたからだ。スポンジケーキを焼く甘い香りが立ち込める中、社長の桑名正徳(70)がほおを緩める。「12月はクリスマス用の受注も重なる。忙しい」。神戸・阪神間の洋菓子店で腕を磨いた長男寛和(42)が専務として戻り、パートら約10人の現場を切り盛りする。
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