事業継承編 第1部
支援元年(下)「M&A」 譲渡先選びと交渉の壁高く
作業服販売のライオン屋(尼崎市)は1月、仕入れ先の上場メーカーの子会社となった。オーナー社長の河崎久夫(71)が、保有する全株を譲渡したためで、自身は雇われる立場の経営者となった。中小企業の後継者問題の解決策として、こうした合併・買収(M&A)が増えている。
過去約5年間、年商15億円の会社を率いる河崎のもとには、銀行や証券会社、仲介会社など十数社が、手数料を得ようと商談を持ち込んできた。経営方針の維持と従業員の待遇保証を条件に交渉した。「厳しい資産査定を受けた。無借金経営だった上、本業と関係ない不動産や株取引に手を出していなかったことが評価され、望んだ相手と成約できた」と胸を張る。
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