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フリーフライトで農道から飛び立つ気球チーム=加西市東剣坂町
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フリーフライトで農道から飛び立つ気球チーム=加西市東剣坂町
気球パイロットの養成講座を受講する森川浩充さん。会社の同好会チームも始動=鶉野飛行場跡
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気球パイロットの養成講座を受講する森川浩充さん。会社の同好会チームも始動=鶉野飛行場跡

■広がる絶景、ゆらり空中散歩

 青く澄んだ加西市の空に色とりどりの熱気球が浮かんでいた。西風に乗り、優雅にゆらりゆらり。何機もの気球が、丘や田畑を見下ろしながら進んでいく。

 兵庫県加西市鶉野町の鶉野飛行場跡で昨年12月18、19日に開かれた「ハッピーバルーンクリスマス」。19日朝、飛行場跡や、同市東剣坂町の農道など市内各地から気球が飛び立った。飛行場跡で住民らが地上とロープでつながった気球に乗り、係留飛行を体験していると、フリーフライトの気球が相次いで登場。地上からのロープはなく、自由に大空に浮かぶ姿に、来場者たちは羨望(せんぼう)のまなざしを向けた。

    ◇

 2016年に「気球の飛ぶまち加西条例」を制定した同市では、関西を中心に大学気球部や企業チーム、友人同士などの約30チームが飛行登録している。イベントに参加するほか、週末などに市内で空の散歩を楽しんでいる。

 18日には、加西市で2機目のオリジナル気球「soraかさい号」が披露された。市内の自動車部品メーカー「コタニ」の寄付を受けて市が製作。同社はこの気球の運航をサポートするため、社内に19人が参加する気球同好会を設立した。

 フリーフライトで気球を飛ばすには、パイロットのライセンスが必要だ。同社気球同好会のリーダー役、森川浩充さん(37)は1月からパイロットの養成講座を受けるという。

 アウトドア好きで、船舶免許も持つ。自宅は飛行場跡の近くで、気球は見慣れているが、フリーフライトの経験はなかった。「気球は近いようで遠い存在だった」と森川さん。会社が市への協力を打ち出したことを受け、森川さんがパイロットの資格取得に挑戦することになった。「メンバーらと協力してしっかり力を付けていきたい。ベテランのパイロットたちのように地域を盛り上げていきたい」と、気球を操縦する姿を描く。

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 ロープで固定されている係留飛行は1人2千円程度で手軽に楽しめるが、上空を移動するフリーフライトはハードルが高い。レジャーとしての体験料金は1人約3万円。別途出張料も必要となる。気球は1機で数百万円。加西市の1機目のオリジナル気球「ピースバルーン号」は大型で、デザインにも力を入れており、約700万円を費やしたという。

 飛行エリアも近畿で奈良、滋賀県の各1カ所に加え、加西市など播磨エリアの計3カ所しかない。高額な費用と限られた環境。その先に上空からの絶景が広がる。(小日向務)

【パイロット募集】気球の飛ぶまち加西推進委員会は、加西市のオリジナル気球「加西ピースバルーン号」の飛行に協力するパイロットやクルーを募集している。イベントでの係留飛行体験などの際にスタッフとして参加する。ボランティア保険代や交通費などは自己負担。パイロットの場合はライセンスが必要。同委員会(加西市文化・観光・スポーツ課)TEL0790・42・8756

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