政務活動費の不自然な支出をめぐる事件で、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われながら昨年11月の初公判を欠席した元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)のやり直し初公判は、26日午後からも神戸地裁(佐茂剛裁判長)で審理が続き、弁護側による被告人質問が始まった。
弁護側とのやりとりは次の通り。
-平成23年度収支報告書で東京、福岡、広島の記述がありますが、実際に行きましたか。
「覚えておりません」
-まったく?
「まったく覚えておりません」
-公用でも私用でもよいので、東京、福岡に行ったことがありますか。
「行ったことがあると言われれば、行ったような気持ちになります。行ったことがないと言われれば、行ったことがないという気持ちになります」
-はっきり分からない?
「はっきり分かりません」
-(兵庫)県外で何か調査したり、誰かと会った記憶はありますか。
「覚えておりません」
-県内について。平成25年度収支報告書で城崎町、佐用町の記載がありますが、行きましたか。
「覚えておりません」
-1回でもいいです。記憶はないですか。
「思い出せません」
-何の調査に行ったのですか。
「今となっては思い出せません」
-あなたは県会議員だった。説明する責任があるということは分かっていますね。
「はい。説明したいという気持ちはありますが、それでも思い出せません」
-事務費という項目があるのは覚えていますか。
「はい」
-切手を買った場合はこれに当たりますね。
「覚えておりません」
-金券ショップで切手を買ったことがありますか。
「覚えておりません」
-金券ショップで商品券を買ったことがありますか。
「あると思います」
-公務で買って報告書に記載した記憶はありますか。
「記憶がありません」
-警察で供述調書について、平成26年9月から11月にかけて、あなたは警察から取り調べを受けたことを覚えていますか。
「はい」
-20通以上、供述調書を作った?
「覚えておりません」
-なにがしかは作った?
「はい」
-警察に事情を聴かれた場所は?
「篠山です」
-警察の供述調書では、あなたが全部認める内容になっていますが、それは分かっていますか。
「分かっておりません」
-調書はあなたが実際に話したことですか。
「覚えていることと、覚えていないことがあります」
-覚えていることは?
「ほとんどしゃべらなかったことと、ほとんど主張を聞いてもらえなかったことと、取調官が文案を作り、上司に見せて、それを読み上げていた。(この)3点です」
-(あなたは)冷静な状態でしたか?
「冷静ではなかったと思います」
-取り調べ中はどんな状態でしたか。
「恐怖と不安とわけが分からない気持ちでいっぱいでした」
-あなたは起訴されるまで弁護士がついていなかった?
「ついておりませんでした」
-警察への供述調書とは別に、あなたが書いた反省文がありますよね。検察にあてて書いた反省文で、そこではすべてを認めてますよね。これはどうして書いたのですか?
「理解する努力をするために、お待ちいただくようお願い申し上げます」
(しばらく沈黙)
「警察で行われたような強要、脅迫の取り調べが行われないように、(過去には)政務調査費(の事例)で起訴されたことがないということも認識できましたから、反省すれば検事にも理解してもらえると思ったからです」
-反省文はなぜ書いたのですか。
「反省文の内容はうそ偽りで、非常に後悔しております」
-政務調査費などを、県議を辞職した後に利息もつけて返納していますね。
「覚えておりません」
-返納のこと自体も?
「記憶を整理しますので、しばらくお待ちください」
(しばらく沈黙)
「覚えているのは『全額返納するか?』という(県議会)事務局職員の言葉と、銀行に納付に行ったことだけです」
-金額は?
「まったく覚えておりません」
-どうして払うことになったのですか。
「政務調査費についての納付と理解しております」
-あなたとしては、納付書を送られたから納付しただけだった、ということですか。
「はい。お尋ねの通りです」
-刑事裁判になっていることについてどう思っていますか。
「謝罪と反省」
-あなたは詐欺をやったわけではないですよね。だれに何を反省しているのですか。
「(県議)在職中に、マスコミに疑惑を持たれたことと、議員の信頼を損ねたということに対し、県民に反省し、おわび申し上げたいと思います」
