寸断された鉄道網

 阪神・淡路大震災は、兵庫県南部を走るJRや私鉄各線の鉄道網を切り裂いた。高架橋や駅舎が倒壊、全線が復旧するまで長い時間を費やした。(撮影・山崎 竜)

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阪神

阪神電鉄は御影―西灘間(3・1キロ)の8カ所で高架が落ち、石屋川車庫などが崩壊。全線復旧に160日を要した。現在は相互乗り入れする近鉄車両も走る=神戸市灘区、大石―新在家間

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阪急

阪急神戸線では、西宮北口―御影間で線路が陥没するなど被害が集中した。夙川駅近くではマンションが線路に覆いかぶさるように倒れた=西宮市相生町

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JR

JR沿線の中で特に被害の大きかった六甲道駅。ホームと上屋が倒壊した。駅の南側は再開発で街の表情が一変、高層の建物が並ぶ=神戸市灘区永手町4

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乗客同士 助け合った

 阪神・淡路大震災の発生時刻、電車に乗っていた人の話で記憶に残る場面がある。

 神戸市の長田、須磨区境を走っていたJRの電車。ごう音とともに脱線した車内で、一人の男性が「私は阪神電車の社員です。車掌の指示を待って冷静に行動しましょう!」と叫んだという。

 その言葉に従い、乗客はドアから脱出して夜明け前の線路上を鷹取駅に向かった。周囲ではすでに火の手が上がっていた。

 当時運行していた電車のうち、脱線したのはJRや私鉄を合わせて16本。午前5時46分という早朝で、幸い新幹線は始発前だった。乗客の死者はなかったが、崩壊した阪急伊丹駅(伊丹市)では駅前交番の警察官1人が亡くなった。

 うねる鉄路。静まりかえった駅。それぞれの現場で、乗客や職員の格闘が続いていた。

 神戸市灘区の阪神大石―新在家間で脱線した電車では、30人近くが負傷。駆け付けた駅員らが救出に当たった。長いトンネルが続く北神急行の新神戸―谷上間では、緊急停止した電車から乗客が脱出し、暗いトンネルの壁際を静かに行進した。

 助け合い、声を掛け合った見知らぬ乗客同士。恐怖を押し殺して救出に奔走した職員たち。19年余りたった今、あの朝をどんな思いで振り返るだろうか。(磯辺康子)

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