経済
【更新】H2Oとの経営統合案、午後4時ごろ可否決定へ 関西スーパー臨時株主総会 株主からの質疑相次ぐ
関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は29日、伊丹市内のホテルで臨時株主総会を開いた。エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループとの経営統合案など計5議案を提出し、株主からの質疑が相次いだ。午後に質疑と採決が終わって、現在集計を進めており、統合案の可否は同4時ごろに判明する見通し。
午前10時に開会した総会には、インターネットなどでの議決権を行使した株主を含め3859人が出席。筆頭株主のH2Oから林克弘副社長が会場入りし、統合議案の否決などを前提に関西スーパーの買収意向を示す第3位株主の首都圏地盤のスーパー、オーケー(横浜市)からは二宮涼太郎社長が姿を見せた。
統合議案は関西スーパーがH2Oの子会社になり、H2O傘下のイズミヤ、阪急オアシスと株式を交換して完全子会社化する。現在の関西スーパーは来年2月に中間持ち株会社「関西フードマーケット」に商号を変え、食品スーパーを引き継ぐ新・関西スーパーマーケットが発足。関西フードが3社を束ね、上場を維持する内容。可決には、出席株主の議決権行使で3分の2以上の賛成が必要となる。
関西スーパーの福谷耕治社長は「H2Oグループの一員になることで企業価値の向上が見込め、売上高が4千億円規模に拡大するのは株主利益にも資する」と説明し、賛同を呼び掛けた。
出席した株主からは「統合後の業績が振るわない場合、どの段階で経営責任を取るのか」との質問が飛び、福谷氏は「統合する3社は地域密着でブランド価値を高め、相乗効果を出しながら利益を出していく。全身全霊で取り組んでいく」と答えた。
反対意見の株主が「自己資本比率が低く、赤字を出しているイズミヤ、阪急オアシスとの統合を考え直してほしい」と訴えると、会場から拍手が上がり、株主同士が言い争う場面も。「関西スーパーが好きなだけに、今後もどの傘下にも入らず独立を維持してほしい」との意見もあった。
オーケーの二宮社長は、開会前の取材で「ついに今日が来た。株主の判断をしっかりと見守りたい」と述べるにとどめた。
総会ではこのほか、関西フードの社長にH2Oの林氏を充てる人事案などが諮られた。
関西スーパーとH2Oは8月末に統合を発表。しかしその後、オーケーが関西スーパーの買収を目指すと表明した。総会での否決と統合撤回などを前提に、関西スーパー株を1株2250円で株式公開買い付け(TOB)するとしている。
【関西スーパーマーケット】大阪府や兵庫県などで「関西スーパー」を60店舗以上展開する。1959年に伊丹市に1号店を開設した。生鮮食品と総菜の品ぞろえが強みで、2016年に百貨店やスーパーなどを傘下とするエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと資本業務提携を結んだ。21年3月期連結決算は、売上高に当たる営業収益は1309億円、純利益は20億円だった。
■質疑応答 記事リンク■
・(1)株主「イズミヤは経営苦しい、考え直して」専務「経営環境から望ましいと判断」



















