臨時株主総会の終了後、報道陣の取材に応じる関西スーパーマーケットの福谷耕治社長（中央）ら＝２９日午後、伊丹市中央６、伊丹シティホテル（撮影・坂井萌香）

Ｈ２Ｏリテイリンググループとの統合議案などが諮られた関西スーパーマーケットの臨時株主総会。株主が続々と会場入りした＝２９日午前、伊丹市中央６、伊丹シティホテル（撮影・坂井萌香）

　関西スーパーマーケット（兵庫県伊丹市）は２９日、伊丹市内で臨時株主総会を開き、エイチ・ツー・オー（Ｈ２Ｏ）リテイリンググループとの経営統合議案が可決、承認された。Ｈ２Ｏ傘下の食品スーパー２社との株式交換による統合で、可決に必要な３分の２以上の賛同を得た。否決された場合、第３位株主である首都圏地盤のスーパー、オーケー（横浜市）は関西スーパーの買収を表明していたが、提案を取り下げる意向を示した。

　統合議案の賛成率は６６・６８％と僅差の大接戦だった。議案が承認され、経営の混乱は回避される見通し。関西スーパーは１２月にＨ２Ｏの子会社になり、来年２月、傘下に食品スーパーの新・関西スーパーマーケットなど３社を束ねる持ち株会社「関西フードマーケット」に商号を変更する。

　関西スーパーは今年８月、Ｈ２Ｏ傘下で非上場のイズミヤ、阪急オアシスとの経営統合を発表。その後、オーケーは総会での議案否決と統合案の撤回などを前提に、関西スーパーの上場以来最高値となる１株２２５０円での株式公開買い付け（ＴＯＢ）を表明していた。

　この日、総会の会場には株主１４７人が出席。オーケーの二宮涼太郎社長も姿を見せた。議長を務めた関西スーパーの福谷耕治社長は「Ｈ２Ｏグループの一員になることで売上高は４千億円規模になり、企業価値の向上が見込まれる。オーケー案とも比較し、親和性が高いＨ２Ｏ案が最善と判断した」と賛同を呼び掛けた。

　質疑では株主約２０人が発言した。統合の反対意見に拍手が起こり、株主同士が言い争う場面も。賛成の株主からは「統合後も客や株主に信頼される会社であってほしい」との要望が出た。

　総会は午後も続き、５議案を一括採決。複数回の集計で僅差での可決が決まった。総会は休憩を挟んで約６時間１０分に及んだ。（横田良平、大盛周平）

■質疑応答　記事リンク■

・（１）株主「イズミヤは経営苦しい、考え直して」専務「経営環境から望ましいと判断」

・（２）株主「統合は従業員にとって良いことなのか」社長「関西で長く事業、安心感ある」

・（３）株主「統合に賛成」専務「明るい未来が見えている」

・（４）株主「株主をないがしろ」社外取締役「オーケー流なら店を変えないといけない」