経済
関西スーパー総会・質疑応答(5)株主「オーケーが関西スーパーつぶすわけではない」社外取締役「H2Oは仕入れや物流の統合しやすい」
関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は29日、伊丹市内のホテルで臨時株主総会を開いた。エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループとの経営統合案など計5議案を提出し、株主からの質疑が相次いだ。
株主との主なやり取りは次の通り。
-この質疑で関西スーパーの社員株主を指名している印象を受ける。社員株主は何人か? 印象操作になっているので公平な質問を。また、取締役会の議決権を持たない執行役員が回答に立つのはいかがか。
関西スーパー・福谷耕治社長「社員株主の出席はしている。それぞれの株主として、平等に参加している」
-市場の株価は、関西スーパーが示す理論株価を割っている。市場の信任を得ていない。
関西スーパー・中西淳専務「株価の形成は需要と供給のバランスや金利情勢による。必ず理論株価になるとは限らないが、一日も早く近づくよう、スムーズな統合作業を進めたい。両社で統合推進委員会を立ち上げ、密に話し合う。すぐに効果の発揮しやすい共同仕入れなどを進めて、2022年にも効果が出るようにしたい」
-オーケーの話を聞きたい。対抗意見を聞かないと一方的だ。オーケーが買収して関西スーパーをつぶすわけではない。
関西スーパー・福谷耕治社長「H2Oありきではない。それぞれの独立的観点から特別委員会に判断してもらった。もう一度お話ししたい」
牟禮社外取締役「オーケーの相乗効果を紹介したい。高品質、毎日が安売り(EDLP)という施策を関西スーパーに導入するのが大きな柱。それに伴って、商品の見直し▽ケースや什器(じゅうき)の入れ替えなどの店舗改装▽共同仕入れ▽PBを両社で共同開発▽物流の効率化▽店舗運営のノウハウ共有-などだ。効率的な運営のため、オーケーはコイン式カートなどを関西スーパーにも導入したいとおっしゃっていた」
「この点について、オーケーの方法を関西スーパーに入れていくと理解した。これはわれわれのお店づくりと方向性が違うと。低コストで運営される店とスーパーとの違いについて、小売りの専門家に聞いた。低価格は消費者に魅力的だが、コロナ禍を受けて動向がどう変わっているのかや、ネットの併用や買い回りのしやすさなどへの関心が高まっている」
「企業の合併・買収(M&A)の専門家に聞くと、統合プロセスで相乗効果を出そうとすると、システム統合などがあるが、関スーは関西で、オーケーは首都圏。買っている先が違うので、共同購入の効果は出にくいだろうという結論だった」
「H2Oは共同仕入れや経営理念が似ている。特に従業員への教育や健康経営などに積極的に取り組んだ。H2Oのほうが近畿圏なので共同仕入れや物流の統合もしやすいと判断した」
「何より、関西スーパーにとって必要なモノを考えた。長期的にはITやネットスーパー領域が重要。H2Oはそこを強化すると中計で打ち出している。(H2Oの)方向性を関スーも取り入れることで、新しい形のスーパーに変わることができる潜在能力の高さがあり、H2O(との統合)の方がよいと判断した」
■質疑応答 記事リンク■
・(1)株主「イズミヤは経営苦しい、考え直して」専務「経営環境から望ましいと判断」