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 北区の住宅街などで5月下旬以降、クマの目撃情報が3件相次いだ。防犯情報などを伝える「ひょうご防犯ネット」で発信され、うち1件は、小学生の前にクマが現れた-との110番だったという。いずれの現場でも痕跡は確認されず、他の野生動物だった可能性も否定できないが、市や県警は警戒を呼びかけている。(井筒裕美)

 市などによると、最初の目撃は5月20日午後2時ごろ。登山者の女性が同区山田町下谷上、天王吊橋(つりばし)付近の山中でクマ1頭を見つけた。数十メートル先の茂みの中で立ち上がり、背中を向けていたという。

 次に目撃されたのは、体長が約1・2メートルと約60センチの2頭。6月17日午前4時ごろ、5月の目撃場所から北東に約10キロ離れた同区有野町唐櫃の民家で庭のごみ箱をあさっていたといい、有馬署に通報があった。

 7日後の24日午後7時ごろには、同町唐櫃の路上を歩いていた小学生の前方にクマ1頭が出没。小学生が追いかけると逃げたといい、保護者が110番した。

 クマ目撃情報を受け、唐櫃小学校は児童に注意を促し、登下校時のパトロールを強化。唐櫃中学校も保護者に「ひょうご防犯ネット」への登録を呼びかけた。

 市が現地を調べたが、3地点とも足跡や爪痕、ふんなどは発見されなかった。同町唐櫃の女性(67)は「40年住んでいるけど、クマは見たことがない。家の外からガサガサという物音を聞くことはあるけど、イノシシではないか」と話す。

 ただ、県森林動物研究センター(丹波市)によると、クマのいた場所に必ず足跡や爪痕などが残るわけではないため、痕跡がないからといって「目撃されたのはクマではない」とまでは断言できないという。

 同センターによると、記録のある2001年以降、神戸市内でクマの目撃情報はなかったが、隣接する三木、三田市などではあったという。

 担当者は「音を鳴らしてこちらの存在を知らせ、クマに遠ざかってもらうのが重要」と指摘。山道に入る際は「鈴や笛などを持ち歩き、しゃべりながら歩くのも効果的。山中で車から降りる際はクラクションを鳴らすといい」としている。