政務活動費の不自然な支出をめぐる事件で、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われながら昨年１１月の初公判を欠席した元兵庫県議の野々村竜太郎被告（４９）のやり直し初公判は、２６日午後からも神戸地裁（佐茂剛裁判長）で審理が続き、検察側の被告人質問が始まった。

　検察側との主なやりとりは次の通り。

　－クレジットカードを使っていますか。

　「はい、使っていました」

　－利用申し込みしたのはあなたですか。

　「はい、私です」

　－いつ申し込みましたか。

　「覚えていません」

　－何年ぐらい前だったかも思い出せませんか。

　「覚えていません」

　－カードの利用料金支払いはどのような方法でしたか。

　「お尋ねの意味が分かりません」

　－買い物をした時に、現金を支払う必要はありませんよね。

　「はい」

　－何カ月か後に、請求されるようになっていますよね。

　「はい」

　－銀行の自動引き落としで代金を支払っていましたか。

　「はい」

　－それは何銀行の何支店でだれの名義ですか。

　「野々村竜太郎名義です」

　－住所はどこと設定していますか。

　「私の自宅です」

　－自宅はどこですか。

　「お答えは差し控えさせていただきたい」

　－議員在職中、住んでいた住所ですか。

　「お尋ねの通りです」

　－自宅に１人暮らししていましたか。

　「はい、１人暮らしです」

　－西宮にある○○という店を知っていますか。

　「はい」

　－クレジットカードでこの店で買い物をしたことはありますか。

　「はい、ございます」

　－（県庁前の）○○というお店を知っていますか。

　「覚えていません」

　－議員在職中、兵庫県庁に出掛けたことはありますか。

　「はい」

　－県庁前の同店で買い物をしたことはありますか。

　「覚えていません」

　－在職中、クレジットカードを親族に貸したことはありますか。

　「絶対にございません」

　－在職中、友人や知人にクレジットカードを貸したことはありますか。

　「ございません」

　－クレジットカードを使っていたのはあなただけですか。

　「はい、私だけが使っておりました」

　－平成２３年度、収支報告書にあがっている県外の日帰り出張について、この出張は絶対に行ったと言えるものはありますか。

　「覚えていません」

　－あるのかないのかでお答えください。

　「覚えておりません」

　－クレジットカードの使用実績と出張先の距離からして、実際に行くことができなかったと思われるものもあるが、何か反論や主張はありますか。

　「覚えておりません」

　－東京への日帰り出張を３日おきに繰り返した記載があります。平成２４年３月１４日、１７日、２０日、２３日と繰り返しましたね。

　「今となっては覚えておりません」

　－年度末に行ったのですから、覚えてるのではありませんか。

　「覚えておりません」

　－平成２３年１２月１９、２２、２５、３０日と福岡へ出張しています。記憶はありますか。

　「記憶にございません」

　－年明けの１月４日も行ったという記載がありますが。

　「お尋ねの意味が分かりません」

　－年末年始に出張に行かないといけない用事、どんなことがあったか覚えていますか。

　「覚えていません」

　－先ほど弁護人に対し、県外出張に行ったこともあるし、行かなかったこともあると発言されましたね。

　「そうです」

　－平成２３年の支出の中には、行かなかった出張も含まれていますか。

　「含まれていると思います」

　－どのくらいの割合ですか。

　「まったく分かりません」

　－行ってもいない出張を報告書にあげるのは許されませんよね。

　「許されません」

　－返還の対象になりますよね。

　「なります」

　－行ったかもしれないし、行っていないかもしれないという気持ちで報告書を出したのですか。

　「そうではなく、弁護士に話したのは、今の感想を申し上げたにすぎません」

　－平成２３年の収支報告書を出した当時、どんな気持ちで出しましたか。

　「覚えていません」

　－行っていないかもしれない出張があるのに、お金の残余がゼロで出すのは許されないことですよね。

　「現在と当時の記憶を検察官自身が混同されているので、お答えは難しいです」

　－あなたは行った出張の資料が出てくればいいと思っていませんか。

　「思っています」

　－その資料はありますか。

　「覚えていません」

　－平成２４年の支払い証明書の中で、これは確実に行ったと言える出張はありますか。

　「覚えていません」

　－平成２４年の５月に、頻繁に東京出張に行ったことは覚えていますか。

　「覚えていません」

　－頻繁に行かなければならなかったとの記憶はありますか。

　「ありません」

　－平成２４年の１１月に、名古屋や福岡、東京に遠方出張しましたか。多いと思いませんか。

　「主観のことを尋ねられても混乱します」

　－出張に行きましたか。

　「覚えていません」

　－１１月が出張が多くて、大変だったという気持ちも覚えていませんか。

　「覚えていません」

　－平成２４年度に、東京に宿泊出張を計上していますよね。

　「覚えていません」