阪神・淡路大震災とその後のデフレ不況を乗り越えてきた経営トップへのインタビュー連載企画「明日を拓(ひら)く」。シリーズ第6部は、ノーベル賞授賞式後の晩さん会で出され一躍注目を浴びた青いボトルの純米吟醸酒「福寿」の醸造元、神戸酒心館(しゅしんかん)(神戸市東灘区)の会長安福幸雄(ゆきお)さん(73)と、長男で社長の安福武之助(たけのすけ)さん(41)に聞いた。震災後、レストランやホールを備えた酒蔵を再建するなど、270年続く伝統の灯を絶やすまいと親子でまいた復興の種が「ようやく、少しずつ、芽を出し花を咲かせ始めた」と声をそろえる。(中務庸子)