住まい

4万8300戸 前例のない仮設住宅の大量供給

地震発生の3日後、神戸市では仮設住宅の建設が始まりました。
問題になったのは建設用地。被災地内だけでは土地が足りず、
大阪府内や姫路、加古川市など18市11町に広がりました。

入居のピークは46617戸

仮設住宅の発注は震災の日から始まり、兵庫県民向けに4万8300戸が発注されました。
神戸市では震災3日後から仮設住宅の建設が始まりました。
最初の入居は震災から16日後の1995年2月2日、津名郡五色町(現洲本市)でした。
仮設住宅の設置及び入居戸数の推移と、災害復興公営住宅などの供給戸数
兵庫県の資料をもとに作成

すべての入居者が退去するまで5年

仮設住宅が入居ゼロになったのは、2000年1月14日。震災から1823日後でした。
当初仮設住宅を設ける期間は原則2年とされており、設定期限は3回延長されました。
仮設住宅をへて、自力で住宅を確保できなかった人たちには、
災害復興用の公営住宅が用意されました。
災害復興公営住宅などの供給戸数は42137戸。うち25421戸が新規に建設されました。
芦屋浜シーサイドタウンにびっしり並ぶ仮設住宅(1996年3月10日、芦屋市)

多くの人が住み慣れた街を離れました

仮設住宅や新規に建設された災害復興公営住宅は、建設用地の確保が難しく、
湾岸の埋め立て地や人工島、郊外のニュータウンや工業団地の
空き地などを利用するしかありませんでした。
住み慣れた地域を離れたくない被災者とのミスマッチから、
優先度が高い高齢者世帯も抽選から漏れることが珍しくありませんでした。
神戸市のおもな仮設住宅・災害復興公営住宅の位置
おもな仮設住宅:神戸市の資料をもとに作成 おもな復興住宅:神戸市への取材をもとに作成
高層階の建物が連なる災害復興住宅「ベルデ名谷」(2009年12月16日、神戸市垂水区名谷町)

求められたコミュニティーの再構築

被災者に高齢者が多かったことから、
生活援助員を配置したシルバーハウジングが供給されました。
一般公営住宅では全国初の「グループ募集」「コレクティブハウジング」
「ペット飼育可能な公営住宅」などが実現しました。
一方、入居者の高齢化で、住民自治は思うように進まず、孤独死などが問題になりました。
神戸新聞社まとめ

2人に1人が高齢者

2013年11月時点で、災害復興住宅の高齢化率は49.2%、単身高齢世帯率は45.4%。
一般県営住宅は28.6%、23.8%に比べ極端に高くなっています。
高齢化率70%の復興住宅もあり、そうした住宅では、自治会の担い手不足から、
コミュニティーの活力低下が深刻です。
住民の交流行事だけでなく、ごみ出しや清掃といった活動も難しくなっています。
高齢化率と単身高齢世帯率 災害復興住宅と一般県営住宅では
兵庫県復興支援課調べ
災害復興住宅で企画された食事会。住民らの笑顔が広がる(2005年12月5日、明石市営魚住北住宅)