仕事・経済

苦しむ被災地経済 今なお全国との開き

港や道路の復旧のスピードに比べ、
被災地全体の経済は厳しい状況が続いています。

復興需要は一時的

焼け落ちた商店街、倒壊した工場群、破壊された岸壁、傾いた商業ビル…。
多くの人が仕事を奪われ途方に暮れたほか、地域経済のかなめであった神戸港は
コンテナ取扱量世界3位から震災後に急落しました。

地域経済復興のため、多くの復興事業が行われました。その額は合計16兆3000億円。
兵庫県の予算規模(2014年度一般会計1兆9502億円)で考えると、
復旧復興に約8年分ものお金を使ったことになります。
国の予算規模(2014年度一般会計95.9兆円)でも約6分の1という巨額の数字でした。

多くの事業や建築物の再建ラッシュなどで、地域経済は活況を取り戻しますが
そのような復興需要は一時的なものでした。
地域総生産の推移
兵庫県の資料をもとに作成
春物の婦人靴の生産が始まった工場。地域の発展を支えてきた地場産業も震災以降、苦戦が続く(2003年12月26日、神戸市長田区)

有効求人倍率、現在も全国水準を下回っています

阪神・淡路大震災の影響で失業した人は10万人近くとみられています。
震災後の復興需要などに支えられ、有効求人倍率は一時持ち直しましたが、
現在にいたるまで全国水準を下回っています。
有効求人倍率の推移
単位:倍
JR高架下に貼られた求人の張り紙に足を止める人(1995年5月2日、神戸市長田区)

可処分所得も震災前水準に回復していません

神戸市の1世帯当たりの可処分所得は、
復興需要があった1998年ごろまでは全国とほぼ同じ水準で推移しましたが、
その後一転して減少。今も震災前の水準を取り戻せていません。
所得が増えても、増えた部分の多くが貯蓄に回っていることを示す調査もあります。
(備考)1世帯当たり1か月間の収入と支出(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)
全国:地域経済総覧より転載
神戸市:第90回神戸市統計書 平成25年度版より転載
神戸市『神戸市統計書』より作成
買物客でにぎわう三宮センター街(1995年3月12日、神戸市中央区)