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学生が聞く ひょうご企業研究

(1)ワシオ(加古川市)鷲尾吉正社長(59)

2018.07.18
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鷲尾吉正社長(右)に話を聞く兵庫県立大3年の中田結季子さん(中央)と大槻憲司さん=加古川市志方町高畑

鷲尾吉正社長(右)に話を聞く兵庫県立大3年の中田結季子さん(中央)と大槻憲司さん=加古川市志方町高畑

保温性が特徴の肌着「もちはだ」

保温性が特徴の肌着「もちはだ」

 靴下製造で創業し、今年で63年となる。現在の主力は肌着。独自の起毛法で柔らかな肌触りのブランド「もちはだ」は約50年続く。老舗だが、インターネットも積極活用。クラウドファンディングで資金を集め、会員制交流サイト(SNS)でPRする。兵庫県立大の山口隆英教授のゼミ生が鷲尾吉正社長を訪ねた。

 -保温性の高い肌着「もちはだ」が人気だ。

 「豊岡市出身で世界的冒険家の植村直己さんが南極大陸で着用していたほど。暖かいですよ。特殊なブラシで起毛させているので、肌触りもふわふわと柔らかいです。1970年に開発し、ずっと会社の成長を支えています。製造する機械も、部品の大半を社内でつくって、独自の技術を守り続けています」

 -PR面で工夫は。

 「主要な客層が40、50歳代なので、若い人に商品を知ってもらうことが重要。きっかけづくりになればと、1年ほど前からツイッターや写真投稿のインスタグラムなどSNSで情報発信を始めました。昨年12月に動画投稿サイト『ユーチューブ』の人気投稿者に商品を動画で紹介してもらうと、配信から1週間で4千万円と通常の4倍強の売り上げにつながりました」

 -新商品の開発は。

 「もちはだを最高の日常着にするのが目標。2016年にはアウトドアブランド『YETINA(イエティナ)』を設けました。パーカやスエットは、釣りやキャンプで愛用してもらっています。デザインを重視した長袖Tシャツの製作では、クラウドファンディングで目標の13倍に当たる約650万円を集めました」

 -求める人物像は。

 「当社は今、転換期にあります。この会社で働いたことを財産にできる前向きな方に来てほしいですね」(まとめ・綱嶋葉名)

〈メモ〉靴下製造の鷲尾商店が前身で、1955年に創業。従業員46人。肌着や靴下などを製造販売し、2018年2月期の売上高は5億3千万円。18年春の新卒採用はなかった。加古川市志方町高畑741の1。TEL079・452・0311