学生が聞く ひょうご企業研究
(4)エム・シーシー食品(神戸市東灘区) 水垣佳彦常務(45)
業務用の缶詰カレーや冷凍のクリームコロッケなどを、食品業界の中で先駆けて製品化してきた。本物の味にこだわり、家庭用商品でも高い支持を得ている。関西大の荒木孝治教授のゼミ生が、水垣佳彦常務を訪ねた。
-会社の歴史を教えてください。
「1923(大正12)年、創業者の水垣宏三郎が前身の水垣商店を創立。いちごジャムの缶詰製造を始めました。戦後、エム・シーシー食品として再出発。世界中を巡って各国の食文化を研究し、ミートソースなどの調理缶詰を製造しました。65年に新幹線の食堂車にレトルトハンバーグやカレーが採用され、会社は急成長。現在は業務用と家庭用で計約千種類の商品を手掛けています」
-強みは何ですか。
「製法へのこだわりです。例えば、カレーに使う素材は直火(じかび)釜でじっくりソテーし、プロの調理手順を再現することで、手作りの味に限りなく近づけています。また、新鮮な旬の食材を使いたいので、季節によって異なる地域から仕入れるものもあります。顧客から『ニンジンの色がいつもと違う』というご意見をいただくこともありますが、それは産地が違うからなんですよ」
-新たな取り組みは。
「出資するたつの市の農業法人とバジルを栽培しています。パスタソースやドレッシングを開発し、2015年にイタリア・ミラノ国際博覧会に出展。本場でも好評でした。ほかにも韓国で現地の乳製品メーカーと提携してカレーを生産、販売しています。日本の人口が減少する中、海外展開にも力を入れていきます」
-求める人材は。
「食への興味や好奇心があり、味に感動できる素直な人がいいですね」(まとめ・中務庸子)
〈メモ〉1954年設立。神戸市長田区と東灘区に計3工場、全国に4支店がある。従業員310人。2017年8月期の売上高は129億円。19年春は5人を採用予定。神戸市東灘区深江浜町32。TEL078・451・1481
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