学生が聞く ひょうご企業研究
(7)東洋ナッツ食品(神戸市東灘区) 中島洋人社長(58)
日本で最初に誕生したナッツ専業メーカーで、約60年前からアーモンドやカシューナッツなどを販売している。おつまみの定番商品、ミックスナッツ缶の8割を製造。健康食品としてナッツの人気が高まる中で、さらなる市場規模の拡大を狙う。立命館大の金昌柱准教授のゼミ生が中島洋人社長を訪ねた。
-製法やこだわりは。
「原料となる木の実は海外から輸入し、自社で加工しています。同業他社より多くの機械を使って、それぞれのナッツに合った風味や食感の追求に力を入れています。非効率かもしれませんが、こだわりです」
「悩みは、多くの小売店でナッツが一つのブランドしか扱われておらず、食べ比べができないこと。当社のこだわりも消費者に響きにくく、安値で大量生産するブランドに浸食される危機感があります」
-ナッツの人気は高い。
「テレビ番組で健康に良いとの認識が広がり、市場は10年前に比べ1・5倍の350億円に拡大しました。じか火で香ばしく深いりした商品は人気で、生産が追いつかない状態です。それでも韓国では日本の倍のアーモンドを食べ、3倍食べる欧米では、食事にも取り入れている。まだまだ拡大の余地はあります」
-4月には神戸・三宮に直営店をオープンした。
「これまでは顧客の声を聞く機会がありませんでした。直営店ではミックスナッツは扱わず、お客さまに自分の好みで組み合わせてもらっています。店名は『ナッツ オン!』。マーケティングデータも取りたいので、あえて店内で社名は出していません」
-今後の戦略は。
「ナッツを買うのは50~60代の女性が多いんですが、若い女性にもアプローチしたいですね」(まとめ・塩津あかね)
〈メモ〉1959年設立。日本で最初に輸入アーモンドの加工・販売を始めた。2017年9月期の売上高は83億3000万円。従業員221人。18年春の採用は2人、19年春は7人を予定。神戸市東灘区深江浜町30。TEL078・452・7200