世界のミムラ
世界のミムラ~シューズ名工の軌跡(2)足のドクター
シューズ職人三村仁司(67)が代表取締役を務める工房「M.Lab(ミムラボ)」の一室。研修で訪れたシューズ量販店の店員たちが、12畳ほどの部屋に続々と入ってきた。三村は膝元ほどの低い机に、A3用紙を敷いてはだしで立たせて足型を取り、メジャーなどで足を測り始めた。
「右脚が疲れるの早いやろ?」。その後の個別面談で、三村は用紙を眺めて問い掛けた。言われた当人は目を丸くする。「右膝とかがすぐ痛くなるんです」。店員たちは勤務の傍らマラソンなどに取り組んでいる。「あんた、陸上トラックのカーブ、走りにくいやろ」。「そうなんですよ!」。三村は走るフォームを一切見ずに、すらすらと言い当てた。
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