地元で働く ひょうご企業探訪2017
(5)植垣米菓(加古川市)
かりんとう風あられの「鶯ボール」は、発売から87年たったロングセラー商品だ。国の規格に準じた有機栽培原料だけを使用した商品づくりに力を入れ、積極的に輸出も行っている。兵庫県立大の上瀬昭司准教授と流通科学大の羽藤雅彦講師のゼミ生が、同社の植垣清貴代表取締役を訪ねた。
-会社の強みは。
「やはりオンリーワン商品の『鶯ボール』です。60代以上を中心に支持してもらっているが、チョコレートや抹茶をかけた新商品で若者のファン開拓も図っている。2年前にはJR新大阪駅構内の商業施設で鶯ボールを専門に扱う直売店を出店。きなこ味やユズ味などの限定商品を売り出しています」
-有機栽培米だけを使用したあられ・おかきシリーズに力を入れている。
「できるだけ添加物を使わない安全・安心な食品を提供しています。加えて製造過程で社会貢献ができればと考え、今後は兵庫県産のもち米などを原材料に使いたい。当社が継続的に安定してコメを買い取ることで、若い人の就農率向上につなげたいからです。有機商品は主に欧米への輸出が多くなっているので、国内での売り上げ拡大がこれからの課題です」
-今後の方針は。
「インターネット販売に注力したいです。店頭での販売は兵庫が中心になっているので、関西以外の方にも広く楽しんでもらえればと思っています」
-求める人物像は。
「素直でまじめに取り組める人。何事にも興味を持って、自分から行動してほしいですね」(まとめ・綱嶋葉名)
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1907(明治40)年創業。従業員は100人。2016年8月期の売上高は14億円。「鶯ボール」「オリーブの花」などの米菓を製造販売する。17年度は1人を採用予定。本部は加古川市平岡町高畑520の10。TEL079・424・5445