地元で働く ひょうご企業探訪2017
(9)デジアラホールディングス(神戸市東灘区)
住宅に付随するテラスや駐車場、物置などの設備、空間を「家外(イエソト)」と名付け、関連資材を施工込みでネット販売する。あるようでなかったサービスがヒットし、暮らし方の提案にも踏み込む。兵庫県立大の宇高雄志教授のゼミ生が有本哲也社長を訪ねた。
-事業化のきっかけは。
「もともと家業で建材を販売していて、LIXIL(リクシル)などのメーカーと取引がありました。通販サイトを自作し、『取り付けもしてほしい』との注文に対応したのが始まりでした。会社設立17年。施工実績は7万6千件です。自社企画の商品も販売しています」
-「家外」とは。
「読んで字の通り、敷地内で家屋以外の全部です。庭、外構、ガーデンなどと言い、定まった概念がありません。大手住宅メーカーが競い合う一方、庭の大手企業って思い付きますか。『一式やってくれないか』との相談もあり、庭の設計も手掛けるようになりました。『駅ナカ』にならって、新たな価値作りを試みています」
-具体的には。
「子どもの成長に合わせた庭の模様替えや、太陽光発電を付けたエコ仕様の駐車場の屋根はどうでしょう。お客さんにどんどん自由な発想をしてもらえるよう、提案の幅を広げます」
-次の一手は。
「スマートフォン経由の注文が増えるなど、ネット環境の変化に対応中です。今後家を買う若い世代向けにサイトの見せ方の工夫も必要です。小売業の資材販売と、建築業の庭設計。それぞれを担う2社を親会社がまとめる持ち株会社制にしており、多彩な人材を求めています」(まとめ・内田尚典)
◇ ◇
2000年設立。子会社はネット通販の「エクスショップ」、庭提案の「ガーデンプラス」など。従業員136人。17年3月期の連結売上高73億8千万円。17年度採用は16人の予定。神戸市東灘区向洋町中6の9。TEL078・846・4401