ひょうごのロングセラー
(95)イカナゴのくぎ煮-伍魚福 「地域の味」振興に尽力
瀬戸内に春を告げる風物詩、イカナゴのくぎ煮。稚魚の「シンコ」をしょうゆや砂糖、みりんなどで煮詰めて仕上げる。漁の解禁となると、あちこちの家から甘辛く、どこか懐かしい香りが漂ってくる。
この故郷の味を「主力商品」に育て上げたのが、珍味製造販売の伍(ご)魚(ぎょ)福(ふく)(神戸市長田区)だ。商品化は1971(昭和46)年。取引先から「神戸で取れた素材でお土産を」と依頼され、くぎ煮に目を付けた。「当時は魚店などで売られている程度。家庭では今ほど炊かれていなかったようだ」と山中勧(かん)社長(46)は話す。
この記事は会員記事です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。