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(103)フランスパン-ビゴの店 心意気が支える味わい

2012.08.08
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「これからもおいしいパンを作り続けたい」と語るフィリップ・ビゴ社長=芦屋市業平町6、ビゴの店本店

「これからもおいしいパンを作り続けたい」と語るフィリップ・ビゴ社長=芦屋市業平町6、ビゴの店本店

 芦屋市にあるベーカーリー「ビゴの店」本店は、看板商品のフランスパンを求めて連日、多くの常連客でにぎわう。「フランスパンの神様」とも呼ばれるフィリップ・ビゴ社長(69)が1972年に開店。今年で40年を迎えた。

 店内は香ばしいにおいに包まれ、焼きたてからはパチパチと音が聞こえる。皮はぱりっと固く、中は弾力あるしっとりした食感。毎日食べても飽きがこない素朴な味だ。

 フランス西部の都市ル・マンのパン屋に生まれたビゴ社長は、65年に東京で開催された国際見本市で製造実演するため来日した。会場では最新のオーブンなども展示。「私は機械と一緒におまけで来たんやね」とユーモアたっぷりに語る。

 当時は22歳。周囲は日本行きを心配したが、パン作りの師匠が「ビゴは指導者の器を備えている」と太鼓判を押した。「期待に応えたい」との思いが、異国でのパン作りの原動力になった。

 見本市の閉幕後、ドンク(神戸市東灘区)に技術指導者として迎えられ、7年間在籍。同社の芦屋店を譲り受けて独立開業した。

 材料と丁寧な発酵を大切にしている。小麦粉と水、塩、酵母を基本に添加物は使わない。発酵には最低5~6時間かける。

 「パンは命の糧やからね。自然の素材でゆっくり作らないといいものはできない」。アルチザン(職人)の心意気がおいしさを支える。(井垣和子)

〈メモ〉

 〈ビゴ〉芦屋や神戸、西宮など兵庫県内と東京に直営のベーカリーやサンドイッチ店、レストランを13店展開。ベーカリーは各店に工房を構える。1号店を芦屋市松ノ内町で開店し、1982年に現在の本店(同市業平町6)に。従業員約150人。「ビゴの店」は屋号。