店では強力なオーブンで焼きたてを提供。「家庭では２００度のトースターで５分程度温めれば食べごろです」とスタッフ＝神戸市中央区元町通３、観音屋元町本店

　マドレーヌ風スポンジケーキの上から、あつあつに溶けたチーズが落ちる。ナイフとフォークで口に運ぶと、ふわふわ。チーズの塩味が、スポンジの控えめな甘みを引き立てる。神戸・元町で喫茶を営む観音屋の看板メニューだ。入社２０年余りという営業部長、日野健さん（４４）は「古いファンが多く、昔の逸話を教えてもらうんです」。

　１９７０年ごろ、現社長の祖父が創業した。チーズ料理が今ほど広まっていない時代、日本人が好むソフトな味わいで、加工しやすいデンマーク産を仕入れ、チーズケーキやチーズフォンデュを客に振る舞った。