津名高校(兵庫県淡路市)の敷地内にある同窓会館「エンジ会館」が、学校内博物館「つなこう100年つながるミュージアム」に改修され、7日、オープン記念式典が開かれた。在校生や卒業生ら約100人が、テープカットやトークセッションで会館の新たな門出を祝った。(内田世紀)
同会館は2007年に完成。同窓生の会合や運動部の合宿などに使われてきたが、近年は利用頻度が減っていたという。そこで、昨年の創立100周年に合わせ、記念事業としてミュージアム化を計画。同校が保存する文化資源を展示することにした。
1階は常設展示スペース。生物部員が収集した昆虫や海藻の標本のほか、1964年に野島鍾乳洞(同市野島常盤)を発見した地学部員が採取した貝殻石灰岩などが並ぶ。尼崎工業高校の生徒が製作し寄贈した、五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡(同市黒谷)出土の鉄斧のレプリカなども展示。「美しく見えるようアートを意識した」と展示方法にもこだわった。
2階は企画展示室として運用。初回は、地学部員だった元京都大教授で生態学者の故井上民二氏(66年3月卒業)の偉業を紹介する。熱帯雨林でハチなどを研究した井上氏が撮影した写真や、愛用品などを家族が提供した。
式典では、地学部員で井上氏の同級生、樽野博幸さんと小野山二三雄さんによるトークセッションを開催。鍾乳洞を見つけた時のエピソードを披露した。
京都市から駆けつけた井上氏の妻栄子さん(72)は「展示を見た生徒たちが、進む道を選ぶきっかけになれば」とうれしそう。高島玲子同窓会長は「同窓生が集い、つながっていくための拠点にしていきたい」と話した。
津名高校は、今後の一般公開も予定している。同校TEL0799・62・0071