洲本高校(兵庫県洲本市上物部2)の2年平敷和翔(やまと)さん(17)が、「ダムカード」がある島内10カ所のダムを自転車で制覇した。景色や感想などを紹介する冊子も作成。平敷さんは「地域を支えるダムの魅力を少しでも多くの人に知ってもらいたい」と力を込める。(赤松沙和)
ダムカードは、国や都道府県が管理するダムを紹介。写真とともに所在地や形式、貯水量などの情報を記載しており、ダムを訪れた人に配布している。島内では、県が管理する南あわじ市の北富士、成相、牛内、大日、諭鶴羽と、土地改良区などが管理する洲本市の鮎屋川、南あわじ市の初尾川、大日川、本庄川の各ダムと上田(こうだ)池の計10カ所にある。
「自転車で家の近くに出掛けた時にダムの存在を知り、全部巡ってみたいと思った」という平敷さん。昨年の夏、高校の先輩とともに巡り始め、すぐに全て制覇した。「季節によって周りの景色が変わり、行くたびに違う顔を見せてくれる。ダムまでの道のりも含めて冒険心をくすぐられる」といい、友人を誘っては何度も訪れる。時にはタイヤがパンクするハプニングもあるが、「それでも、自転車で行くからこそ島の豊かな自然が感じられる」と魅力を語る。
関心のある分野について研究する学校の授業にも生かし、自分が感じたダムの魅力を紹介する冊子を作った。近く開かれる校内発表の代表にも選ばれた。「少しでも行ってみたい、面白そうと思ってもらいたい。ダムの設備についてももっと詳しく知っていけたら」と笑顔で話す。