連日の猛暑、気分だけでも和らげたい-と考えていると、町中で「金魚」の文字が目に入った。兵庫県姫路市余部区上余部の金魚専門店「上田観魚園」。夏は水質や餌の管理に忙しい季節。店主が作業に追われる中、鮮やかな朱色の芸術が、涼やかに水中を舞っていた。
18年前から自社で金魚を飼育している上田秀敏さん(50)。5月から7月にかけてが産卵期で、同園では常時数千匹を管理している。夏は藻が速く繁殖し、水を頻繁に交換する必要がある。水温が高いと金魚の食欲も旺盛になり、餌の量にも気を配る。
飼育量の約7割を占めるのが、頭部のこぶや大きなひれ、赤白模様に加えて透明なうろこが特徴の「逸姫らんちゅう」。ゆったりと泳ぐ姿に、上田さんは「金魚は夏の暑さにも強い魚なんですけど、そう思わせない優雅な動きに私も癒やされるんです」と目を細めた。(大山伸一郎)









