新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大防止に向けた国の要請通り、兵庫県内の大半の小中高校と特別支援学校などが3日、臨時休校となった。2日から休校している自治体や私立学校を含め、小野市を除いて県内のほぼすべての学校が授業を取りやめる事態。行事の調整や親が共働きの児童らを受け入れるなど、学校現場は対応に追われた。
神戸市中央区の港島学園小学部。児童のいないひっそりとした校内で、教室の清掃や学習用の畑の手入れなど、教員らが作業を進めた。
神戸市の休校期間は15日まで。12日にはクラス替え前のお別れ会を兼ねた遠足を予定していたが中止。17日には「6年生を送る会」を開く予定だが、岡田洋一統括副校長は「取りやめも考えざるを得ない。楽しみにしている子が多いので、なんとかしてあげたいが…」と表情を曇らせた。
学童保育は近くの児童館などで、時間を繰り上げ、午前中から対応しているという。
尼崎市立立花南小学校では、午前8時20分ごろから保護者に連れられた児童が登校。事前連絡なく1人で来た児童もおり、家庭に電話で問い合わせるなど混乱する場面もあった。
同市では、家庭で過ごせない児童を学校で受け入れる。同小ではこの日、全校児童642人のうち60人が登校し、体温などを記入した書類を提出した。1年生の長女を連れた公務員の女性(41)は「通わせたら休校の意味がないと思うが、働く親としては助かる」と複雑な心境を漏らした。
児童は感染防止のため机の間隔が広く取られた教室で、春休みの宿題など自主学習に励んだ。両親が共働きの2年男児(8)は「友達に会えるのはうれしいけど、ウイルスは怖い。いつもはにぎやかな学校が静かで変な感じ」と戸惑っていた。(谷川直生、大田将之)