新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が発令されて初の週末となった11日、宣言の対象となった兵庫など7都府県では街に人の姿は少なく、ひっそりした朝を迎えた。例年なら行楽に向かう人々でにぎわう駅や空港は閑散とし、都心部は車の通行さえもわずか。営業する店も少なく、冷ややかな春の風が無人の街をなでていた。
午前9時、神戸市中央区のJR三ノ宮駅。ホームではスーツ姿の通勤客が乗り降りするだけで、電車内も空席が目立った。同駅南の三宮交差点でタクシーの交通整理をする男性(72)は「普段の20分の1以下。先週よりもぐっと少なくなった」。同10時には、家族連れの姿もちらほら見えるようにたが、かつての光景とは程遠い。
交差点に面する神戸阪急や神戸マルイ、元町の大丸神戸店は臨時休業。三宮センター街もドラッグストアなどを除き、大半の店がシャッターを下ろした。
相次ぐ減便などで運航が上限の半数程度にとどまる神戸空港(神戸市中央区)でも、出発ロビーに利用客の姿はまばらだった。出張帰りの会社員(47)=茨城県つくば市=は「年に一度は出張で訪れるが、これだけ人が少ないのは初めて」と驚いていた。(井上 駿、伊田雄馬)
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