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例年なら休みの小中学校 秋祭りの日、今年は授業

2020/10/12 16:00

 秋祭りの日は学校が休みになる-。祭りどころで知られる兵庫県姫路市南部の小中学校で引き継がれてきたそんな慣例が、今年は途切れることになりそうだ。新型コロナウイルスの影響で大半の祭りが神事のみの開催となり、子どもたちの出番がないからだ。“登校日”となった祭りの日を、コロナ禍で中止した運動会の代替行事や、保護者との懇談会に充てたりする学校もある。(田中宏樹、井沢泰斗)

 例年なら静かなはずの校舎に子どもたちの声が響く。今月9日、飾磨小(同市飾磨区)では児童が普段と変わらず授業を受けていた。校区内の恵美酒宮天満神社と浜の宮天満宮は毎年8、9日が祭りの日。船曵則成(のりあき)校長(56)は「いつもはこの2日間を休みにしていました」という。

 今年は両神社とも屋台運行を取りやめ、神事のみに。飾磨小も両日を通常授業とし、放課後は1学期にできなかった保護者との懇談会を行った。

 姫路市南部の秋祭りでは子どもたちの役割も多く、屋台の乗り子や太鼓の打ち手を務めたり、提灯(ちょうちん)を手に練り歩いたりする。市教育委員会によると、祭りの日が平日と重なった場合、例年なら小中学校計101校(小中一貫の義務教育学校含む)のうち約30校が休校措置を取ってきたが、今年は12日時点で休校を決めた学校はないという。

 毎年14、15日に例祭があり、「灘のけんか祭り」で有名な松原八幡神社(同市白浜町)も、今年は名物の屋台練りや「神輿(みこし)合わせ」を自粛する。昭和天皇の容体悪化で同じく自粛した1988(昭和63)年は慣例通り休校したが、今年は氏子地区の子どもたちが通う5小中学校が「授業実施」で足並みをそろえた。

 同神社に近い白浜小の池上朗(あきら)校長は「結果的にコロナの休校で減った授業時間の確保につながったが、子どもたちは屋台練りなどがなくなって残念だろう」と話す。

 コロナ禍で見送った運動会や体育大会の代替行事を実施する学校もある。

 的形小(同市的形町)は校区内の湊神社で祭りがある13、14日を休校としてきたが、今年は14日に全学年の児童がリレーや綱引きなどで競う「スポーツフェスティバル」を催す。祭りで乗り子を務める予定だった6年の男児(12)は「屋台が出ないのは悲しいし、学校も休みがいいと思ったけれど、その分行事を楽しみたい」と意気込む。

 男衆が提灯をぶつけ合う「提灯練り」で知られ、毎年21、22日に魚吹(うすき)八幡神社(同市網干区)で開かれる秋季例祭も縮小。地元の朝日中は21~23日の3日間、学年ごとにクラス対抗の体育行事を開く。

 兵庫県内では、高砂市内の一部の小中学校も、例年は短縮授業とする祭りの日に通常授業を実施するという。

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